2      残業
 
 
 
「ルパン君、残業頼む」
 
 
今日もやたらルパンに仕事を押し付ける銭形部長。
 
 
「ちーー。あの上司、オレに恨みでもあんのかね」
 
 
といいつつコピー機を回すルパン。その背後から銭が・・・。
 
 
「うわあ!」
 
 
尻をなであげられおののくルパン。
 
 
「な、な、なにをするんですかっ部長!」
 
 
ずりおちた眼鏡をルパンはかけなおす。
 
 
「恨みなどはない。君と二人きりになりたかっただけだ」
 
 
にやりと銭の笑みがこぼれる。
 
 
「じょ、冗談やめて下さい部長っ!ぼくには、そんな趣味はありませんっ」
 
 
真っ青になって壁にしがみつくルパン。
 
こんこん。ドアの音。
 
返事も待たずあけたのは顎髭の男。
 
 
「失礼します。部長、取引先マモー社の面会の方が来られてますが」
 
「む・・・。判った。おい、今オレが何してるか観てたのか」
 
「は?何の事でしょう」
 
 
苦虫を噛み潰したように銭形は玄関へ向かった。
 
 
「あ・・・ありがとう次元先輩」
 
「オレは何も観ちゃいねえ。それより、いい加減オレと幼馴染だからって職場でタメ語は無しだといったろ」
 
「ん・・・」
 
 
ルパンはそっけない素振りでデスクで煙草を吸う次元を見つめた。
 
でもさ、いつもオレが危ない目に遭うと助けに来てくれるんだよね。それも偶然?
 
そして、照れくさいと煙草を吸う癖。喫煙室で吸うのも忘れてさ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
新ル「チューインガム変装作戦」で男から迫られたルパンが丁度こういう風に脅えて壁際に張り付いて泣きついてたんで、ルパンって地でこういう反応すると思います、うん。
 
6/12(Mon) 02:30
 

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Last updated: 2008/3/13