※この話の中に出てくる「オフ」や固有人物名詞などは、話の進行上、必要にして用いてるだけで
ネガティブな意図で用いてる物ではありません。
 
 

 1    やっと判った。
 
 
なぜ自分が、あそこまで、某オフでストレスを感じていたのか。
ずっと、あの言葉に怒りを引きずって、忘れられなかったか。
なぜ、そんなに、あの作品の称賛話を聞きたくなかったか。
とうとう、男心が爆発してしまったか。
 
あのオフ自体には楽しい思い出も出来て、感謝してるんです。
だけど、一方で何故あれ以来、ここまでイライラとして不安定になってしまったのか、判らなくて。
 
 
 
最近、自分の性自認が乱気流状態で、ほんの数分ごとにコロコロ入れ替わり、
そのたびごとに考え方も気持ちもめまぐるしく変わって、一体どれが本当の自分の心だかも、判らなくなっていた。
 
何度も何度も、尋常じゃない怒りの感情がやたら湧き、同じ事が思い出されて、疲れて朦朧とさえなってた。
 
 
 
 
 
普段は忘れてるんだけど、自分はXジェンダーであると同時に、PTSDでもある。
 
PTSDって、トラウマに関連する事があると、生々しく何度もその時の体感が蘇り
フラッシュバックされ、イライラし、それを抑えてると、ずっと後になってから耐えきれなくなって、
怒りの感情が爆発したりするんです。
 
読んでて面白くもない話だとは思うけど、これが事実だと思うので、自分の考えを整理する為にも書いておきます。
 

 2   
 
 
私は「GR」作品自体には、実はそんなに腹も立ってないんです。
称賛、大いに結構だと思う。自分でも サイト中で
 
「作品には賛成できないけど、監督は憎めない」
「挑戦しようという姿勢は評価してるし、好きだ」
「ヤスオ可愛い」
 
と言ってるし。
 
ただ、称賛される方の「一部の理由」をきくのが苦痛だったんです。
 
「ヤスオがルパンらしくなっていくの、交代するの、応援したくなる」というのを聞くのが辛くて。
 
 
 
 
自分は子供のころから「女らしくなれ」と、親の望む理想像を押し付けられて、そのままの自分の個性は「男女みたいで、お前は駄目だ。なぜ、他の女の子みたいにおしとやかになれない」といわれて育ったんですね。「矯正」の為には、罵詈雑言、暴力、あたりまえ。ちょっとでも疑問を投げたり反論したりすると「生意気だ、黙れ」と強制的に口封じ。だから親の望む理想像になろうと、必死に自分の姿を消して、父に望まれるブランド物の娘像になろうと頑張りました。
 
確かに、演技でそう出来るようになったけど、それは見かけ倒しの表層にすぎず、中味はどんなに努力しても全く変わらず、どうしても芯から他人にはなれなかった。自分が捨ててしまった本当の姿が恋しくて、でもそれは劣等感で恐ろしくて出せず、というか既に忘れてしまって、私は自分で自分の個性を殺してしまったんだ、こんなに広い世の中なのに、この世のどこにも自分はいないという孤独で、でもやせ我慢して悩みなんかないふりして笑って、一人になると布団の中で毎日泣いてて、やがて無理にひずみが出てきて、演技でも24時間、仮面かぶり続けるのに気持ち張り詰めっぱなしで、仮面の自分にもなりきれなくなってきて、極度の躁鬱症・対人恐怖症になっちゃったんです。本当の自分で外を歩いたら「男女」といわれ本気で殺されると思ってた。
 
父が嫌で逃げ出した自分の身代りに弟が罵倒されるようになって、それで彼は統合失調症になった。それを聞いたとき、これは自分のせいだ、なぜ彼を助けてやれなかったんだろうという負い目とショックで、気絶して倒れて、以来、自分の名前が父を思い出して気分が悪くなり、自分の名を使えなくなってしまった。これは15年以上続きました。まともに生活が出来なくなり、とうとう父方から戸籍を抜いて改名しようとしたけど、裁判所にも却下されました。今ではだいぶ改善してるけど、今でも手紙は適当な嘘をみつくろって、出来るだけ偽名でお願いしてる。
 
 
ヤスオは自分に自信がなく、自分の個性を捨て、他人の顔になって、誰かに与えられたブランド物の鋳型になろうとする。
昔の自分に似てる。あんなに得意そうに笑っていられるなんて、現実を知らないからだ。自分には彼の行く末が判るんです。
 
 
だから、ああいうことは、人として決してやっちゃいけないと肌で判ってるんで、そこがいいと無邪気に称賛されると、イライラして突発的に爆発的な怒りがこみあげてくるんです。医者には虐待と家族の不幸によるPTSDといわれました。
 
http://allabout.co.jp/gm/gc/1827/
 
この突発的・あるいは、ずっと時間がたってから怒りが爆発するのは、PTSD症状の特徴なんだそうです。
 
 

 3   
 
 
私は、そのオフ会に参加する時、副幹事の方に、メールで相談してました。自分は嗜好性が周りの方と違うので、他の人が話しにくくならないか、気を使わせやしないだろうか、(「冷酷鬼畜ルパン萌え」が苦手なので)女性向の話が出ても、話に入って行けそうもないけど構わないだろうか、といった事を慎重に尋ねた。
 
私は、「冷酷鬼畜ルパン萌え」の話を聞くのも見るのも苦痛です。自分の父親がそういう人だったから、萌えどころか、家庭内は悲劇だと知ってるから、やはり明るく楽しそうにその話をされると、悔しくなってくるんです(その嗜好性の方々を非難してるという意味じゃありません)。副幹事の方は「大丈夫ですよ」といわれ、それで安心して入ったんだけど、あれは無意識にその状態を恐れてたんだと思う。オフ会のBBSでの挨拶の時も、フラッシュバックがおこるのをおさえて、感情を殺した「無性」状態になってた。その文の無感情な無機質さは、傍目には偉そうにみえたんだと思う。
 
私はいかにも女の子という集りを前にすると、非常に緊張する。自分が男人格に変わるから、彼女らの中に溶け込めない(女らしくなれない)ことへの恐れがある。それを振り切る為に、無理に陽気にふるまおうとしてた。周りには、それが浮いてみえた事だろう(ただ、「よ!」と『皆に』言って入ってきたというのは誤解です。ここでは割愛しますが)
 
 
 
副幹事の方がいう通り、過激な女性向きの話はなかったけど、「冷酷ルパン様」といった発言は隣の席の方が、時々いわれてた(彼女からしてみれば、悪気はなく軽いノリの冗談だったと思う)。自分は嗜好性が違うことは事前に相談し、BBSにも断りを入れ、HPも貼って、こちらのスタンスは話前に皆に判ってもらおうとしてたけど、やり方が回りくどかったせいか、その意図は伝わってなかったみたいだと思った。どこでも「GR」の賛同で盛り上がっていて、あまり「苦手」というのは、言ってはいけない空気も感じた。
 
女の子の環境、あの作品の賛同、冷酷ルパン、そういう(あくまで、『自分にとっては』)耐える必要がある環境にいたら、逃げ出したいような恐れとイライラした感情が出てきた(これもPTSD症状です)。でもオフは密室。サイトなら閉じればいいけど、殆ど周り知らない方だらけの自分には、移動場所もない。自分の目の前でも、あの作品の賛同があった。無意識にヤスオの件を聞きたくなくて「自分は嫌だ」と一番判りやすい制作の例をとってやめてもらおうとしたが、そこで「まあまあ、難しいと思うけどね。許してあげましょう」と(意図とは無関係に、実質上)「口封じ」と同じ状態になった。その時、PTSDの怒りの発作がおきた。
 
『話をした方を指していってるのではなく』「ああなれ、こうなれ」と自分の理想を押し付けられ、本音を言う自由は許されない事、自分を殺し、無理に他人の姿で生き続けるのを良しとすること、こうした父親とリンクする状態は、フラッシュバックの体感と怒りが来て自意識じゃ抑えられない。
 
「それだけは、やっちゃいけない。自分の好みにみな合わせろなんて」
 
と、確かにそれは激しい口調だったと思う。明らかに自分が子供の頃、父にされてたことへの怒りの感情が重なってた。自分としては、それでも懸命に怒りを抑えてたつもりだったんだけど、無理だった。私はいままでずっと、自分は一所懸命喋ると怒ってるようにみえると思ってたが、それは逆だったんだと初めて気付いた。PTSDの怒りの感情を抑えるのに、一所懸命になってた。
 
その場には私と同じく「あの作品は好きじゃないけど、此処じゃ言っちゃいけないかと思ってた」という方もいた。その方々が「もっと聞きたい」という姿勢をみせられたので、私は「本当は言ってもいいんですよ。感性は自由なんだから」とその方々相手に居場所をみつけた。その言葉は父に対する「発言の自由のなさ」への反発でもあった。自分が「違う感想」をいえば他の「違う感想を言いたくてもいえない」方もいいやすくなると思った(後にそのうちのお一人から、メールで「辛口感想、スカッとしました」といわれた)あとは、どこにいても四方八方から聞こえてくる「(自分にとっては苦しい)称賛」の声を、自分が語り続ける事で、その「音」を自分の周りだけでも、なんとか消そうともがいていたのだと思う。ただPTSD発作がおきていた最中でのことだったので、その言葉は怒りを伴った口調であったことはいなめないと思う。
 
興味ない人という方を前に、あの作品の話をされてた光景も、今ではそんなに深く考える必要もなかったと思う。でもあの時は、好きでもない、女の子の遊びを「いいからやれ」と無理矢理押し付けられてた自分の昔の体感が連鎖的に蘇ってた。
 
頂いたメールで、あの言葉は誤解だよといわれ、あの言葉が悪気ではないのは、頭では判ってたが、フラッシュバックが起こると、その時、その場にいた男心の「頼むから勝手に仕切って抑圧しないでくれ」と感じた感情が、父親への恨みと怒りと共に再現されて、繰り返し繰り返し襲ってくる。それでもなんとか、頭で理解した事の方を、信じようとしてたんだけど。
 
しかし後に、その方がオフ会の時の顔写真を、ネット上に無修正でアップしたのを見て、それは声優業界に多少面の割れてる自分は「私の場合は、事前にアップしていいか、きいてほしかった」と思ってしまった。すると、またそこで、不自然な位の怒りが出てきた。実際は顔写真も小さなものだったので、そこまで神経質になる事もないのではと思えるのだが、これも、こちらの考えや好みを一切きいてもらえなかった時の記憶が急に割り込んできた為だと思う。あとは、男心に傾くのを食い止めようと、無理に好きでもない女の子の服を着て行った写真の己の姿への自己嫌悪感もあった。
 
その頃はもう、繰り返し来るフラッシュバックの疲労で、おかしくなってたと思う。そこへまた新しい刺激が加わると、ストレス抑えるのは限界にきてました。
 

 4   
 
 
つまりは、そういった事だったんです。
 
あのオフに行ったのは、お誘いが純粋に嬉しかったのと、そこでしか済ませられない用事があったからでもあるんですが、でも、無意識にこういう環境を克服したいと望んでた気もする。 己の持病を自覚しないまま参加した私が悪いんです。
 
 
なんで、自分がこういう状態から抜け出せずに、ずっともがいていたか、要因が判って本当に良かったと思う。
 
「これはPTSD症状だ」
 
と気づいたら、すーーーっと全てのストレスも怒りも消えていった。掲示板に書いてた、憎しみのこもったあれだけ酷い言葉も、本当は「父親」に向かって言ってた言葉と怒りだったんだ、と理解したら、あんなにしつこかったフラッシュバックもすっかり消え失せて、ふうっと楽になれました。
 
あの言葉も、光景も、今は思い出しても、もう嘘のように何にも感じないです。勿論人にも感じてません。
「間違えてるよ。彼らは父親じゃないんだよ」と自分のインナーチャイルドが気づいたんだと思います。
 
 
 
 
自分みたいな持病の持ち主は、発作のおこらない「父親を想起しない環境」を、考えないといけないだろう。気をつけないと仕事も何もかも、全て駄目になる。それに気付いた自分は、これからはきっと、もっと楽に、少しは器用になれるだろうと思います。
 
勿論、オフ参加された方々からすれば、私がPTSD症状がある事情なんて関係なく、単純に私の犠牲者だから、例え事情が理解できたとしても「迷惑だ。発作が出そうなら来るべきじゃない」になるだろう。当然の主張だ。Xジェンダーだというだけでも理解されてないのに、そのうえPTSDなんて、面倒臭い相手だよな(苦笑)自分でも振り回されてるのに。自分の病気に巻き込まれて、気の毒な事をしたと、しみじみ思う。今まではPTSD症状の事は、周りに引かれると思って隠してたけど、誤解されるよりはいいかと思って書いてみました。
 
 
長々と駄文におつきあい下さり、ありがとうございました。
掲示板で皆さまにご心配かけて、申し訳ありませんでした。
 
こんな変な、 しち面倒臭い奴でもおつきあいして頂けるという方がいらっしゃいましたら、どうぞ今後とも、よろしくお願いします。
 
 
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追伸:
 
世間での誤解を、心配されてる方がいるので追加します。
 
 
 
【文体スタイル】
 
私は誰でも、どんな発言のスタイルでも趣向性に過ぎず、個人の自由だと思っています。なので、それについては何もいいません。「長文・ウザいのが苦手だ」という方も「それが読んでて面白い」という方も、自由だと思います。好みは各々が選べるのですから、他人の嗜好性を自分の価値観で測る事は私はしないです。
 
自分でも「ウザい長文」を書く事を自覚してますが、これは嗜好性だけでは片づけられない問題も含んでいます。
 
これは「言論弾圧→暴力」が、当たり前だった子供時代の反動で、「なんで、こうなんだろう。おかしい、本当はどうなんだろう」と、感情に流されず、独自に分析して物事を探求整理しないと、言われた事を信じるだけでは、精神的に耐えきれなかった、子供のころから身に付いた防衛習性なんです。酷い事をいわれても明るい自分を出せるのは、父の罵詈雑言による防衛本能で、痛みに麻痺した感覚が解離的に出てくるからです。
 
勿論、誰にでもウザくいうのは申し訳ないので(苦笑)言う場合は必ずTPOを選んでます。発作がおきると、それとは関係なく、感情のコントロールが難しくなるのですが。
 
 
 
 
【人格・性格批判】
 
発作がおきるとその制御が難しいので、その点でPTSD患者は「発作が起きてる時の状態しか、見た事がない方」からは、あらゆる症状が、性格からくるものだと世間的にも、誤解されやすいようです。
 
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