私は、そのオフ会に参加する時、副幹事の方に、メールで相談してました。自分は嗜好性が周りの方と違うので、他の人が話しにくくならないか、気を使わせやしないだろうか、(「冷酷鬼畜ルパン萌え」が苦手なので)女性向の話が出ても、話に入って行けそうもないけど構わないだろうか、といった事を慎重に尋ねた。
私は、「冷酷鬼畜ルパン萌え」の話を聞くのも見るのも苦痛です。自分の父親がそういう人だったから、萌えどころか、家庭内は悲劇だと知ってるから、やはり明るく楽しそうにその話をされると、悔しくなってくるんです(その嗜好性の方々を非難してるという意味じゃありません)。副幹事の方は「大丈夫ですよ」といわれ、それで安心して入ったんだけど、あれは無意識にその状態を恐れてたんだと思う。オフ会のBBSでの挨拶の時も、フラッシュバックがおこるのをおさえて、感情を殺した「無性」状態になってた。その文の無感情な無機質さは、傍目には偉そうにみえたんだと思う。
私はいかにも女の子という集りを前にすると、非常に緊張する。自分が男人格に変わるから、彼女らの中に溶け込めない(女らしくなれない)ことへの恐れがある。それを振り切る為に、無理に陽気にふるまおうとしてた。周りには、それが浮いてみえた事だろう(ただ、「よ!」と『皆に』言って入ってきたというのは誤解です。ここでは割愛しますが)
副幹事の方がいう通り、過激な女性向きの話はなかったけど、「冷酷ルパン様」といった発言は隣の席の方が、時々いわれてた(彼女からしてみれば、悪気はなく軽いノリの冗談だったと思う)。自分は嗜好性が違うことは事前に相談し、BBSにも断りを入れ、HPも貼って、こちらのスタンスは話前に皆に判ってもらおうとしてたけど、やり方が回りくどかったせいか、その意図は伝わってなかったみたいだと思った。どこでも「GR」の賛同で盛り上がっていて、あまり「苦手」というのは、言ってはいけない空気も感じた。
女の子の環境、あの作品の賛同、冷酷ルパン、そういう(あくまで、『自分にとっては』)耐える必要がある環境にいたら、逃げ出したいような恐れとイライラした感情が出てきた(これもPTSD症状です)。でもオフは密室。サイトなら閉じればいいけど、殆ど周り知らない方だらけの自分には、移動場所もない。自分の目の前でも、あの作品の賛同があった。無意識にヤスオの件を聞きたくなくて「自分は嫌だ」と一番判りやすい制作の例をとってやめてもらおうとしたが、そこで「まあまあ、難しいと思うけどね。許してあげましょう」と(意図とは無関係に、実質上)「口封じ」と同じ状態になった。その時、PTSDの怒りの発作がおきた。
『話をした方を指していってるのではなく』「ああなれ、こうなれ」と自分の理想を押し付けられ、本音を言う自由は許されない事、自分を殺し、無理に他人の姿で生き続けるのを良しとすること、こうした父親とリンクする状態は、フラッシュバックの体感と怒りが来て自意識じゃ抑えられない。
「それだけは、やっちゃいけない。自分の好みにみな合わせろなんて」
と、確かにそれは激しい口調だったと思う。明らかに自分が子供の頃、父にされてたことへの怒りの感情が重なってた。自分としては、それでも懸命に怒りを抑えてたつもりだったんだけど、無理だった。私はいままでずっと、自分は一所懸命喋ると怒ってるようにみえると思ってたが、それは逆だったんだと初めて気付いた。PTSDの怒りの感情を抑えるのに、一所懸命になってた。
その場には私と同じく「あの作品は好きじゃないけど、此処じゃ言っちゃいけないかと思ってた」という方もいた。その方々が「もっと聞きたい」という姿勢をみせられたので、私は「本当は言ってもいいんですよ。感性は自由なんだから」とその方々相手に居場所をみつけた。その言葉は父に対する「発言の自由のなさ」への反発でもあった。自分が「違う感想」をいえば他の「違う感想を言いたくてもいえない」方もいいやすくなると思った(後にそのうちのお一人から、メールで「辛口感想、スカッとしました」といわれた)あとは、どこにいても四方八方から聞こえてくる「(自分にとっては苦しい)称賛」の声を、自分が語り続ける事で、その「音」を自分の周りだけでも、なんとか消そうともがいていたのだと思う。ただPTSD発作がおきていた最中でのことだったので、その言葉は怒りを伴った口調であったことはいなめないと思う。
興味ない人という方を前に、あの作品の話をされてた光景も、今ではそんなに深く考える必要もなかったと思う。でもあの時は、好きでもない、女の子の遊びを「いいからやれ」と無理矢理押し付けられてた自分の昔の体感が連鎖的に蘇ってた。
頂いたメールで、あの言葉は誤解だよといわれ、あの言葉が悪気ではないのは、頭では判ってたが、フラッシュバックが起こると、その時、その場にいた男心の「頼むから勝手に仕切って抑圧しないでくれ」と感じた感情が、父親への恨みと怒りと共に再現されて、繰り返し繰り返し襲ってくる。それでもなんとか、頭で理解した事の方を、信じようとしてたんだけど。
しかし後に、その方がオフ会の時の顔写真を、ネット上に無修正でアップしたのを見て、それは声優業界に多少面の割れてる自分は「私の場合は、事前にアップしていいか、きいてほしかった」と思ってしまった。すると、またそこで、不自然な位の怒りが出てきた。実際は顔写真も小さなものだったので、そこまで神経質になる事もないのではと思えるのだが、これも、こちらの考えや好みを一切きいてもらえなかった時の記憶が急に割り込んできた為だと思う。あとは、男心に傾くのを食い止めようと、無理に好きでもない女の子の服を着て行った写真の己の姿への自己嫌悪感もあった。
その頃はもう、繰り返し来るフラッシュバックの疲労で、おかしくなってたと思う。そこへまた新しい刺激が加わると、ストレス抑えるのは限界にきてました。
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