「・・・じゃない・・・」
「は?」
「とっつあん、次元じゃないっ・・・・!」
とっつあんの胸に体を小さくして頭を押し当てる。
とっつあんが戸惑いつつ、俺の肩を抱いた。
「当たり前だ。ワシゃ次元じゃねえ。・・・なんだ、ルパン。お前・・・泣いてるのか?」
オレは頭をとっつあんの胸に押し当てたままブンブンと激しく振った。
「ばかっ。泣いてなんか・・・次元・・・・来てくんない・・・・もう、オレのことなんか、忘れっちまってんだっ」
ヤケクソに悔しくて、自分でも訳のわかんないこと口ばしってる気がする。
脳裏に肩を並べて歩いていく次元と五右ェ門の姿が映る。
どうして・・・・。次元、オレの相棒じゃなかったのか。
なんでそう、仕方なさそうに、うんざりした面で駆けつけるようになったんだ。
以前は血相変えて「バカ野郎!」っていいながら助けに来てくれたじゃねえのよ。
それが・・・もうどうでもいいって顔・・・・心配なんてしてねえって、そんな・・・・。
「どうしたんだルパン訳を言え」
とっつあんがオレをやさしく引き寄せ、そっと座らせてくれた。
「やさしいのね・・・とっつあん」
ポツリと自分の口から出た甘い声に自分でも驚いた。
気のせいかな、とっつあんの頬が見る間に赤くなっていく。
うちのルパンは泣き虫だなあ・・・はは。
5/ 2(Tue) 18:31
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